Tree climbing ツリークライミング アーボリスト 特殊伐採 SRT DdRT スローライン アンコウフック

木登り日和

特殊伐採にあこがれるサンデーツリークライマー(平日サラリーマン@デスクワーク)

フルハーネス義務化について考える

業界関係者の皆様を悩ます、令和4年一月からの法改正、いわゆる「フルハーネス義務化」。もともとは足場屋さん、塗装屋さんなどの高所作業系建設業の方の命を守る法改正だと私は解釈しております。が、この業界関係者にとっては逆に命を危険にさらしかねない話だと思ってます。

 法改正前の安全帯のもっともチープなの見たことあります?私は、かつて付けたことありますが、弱々しい腰ベルトに一本のロープがついただけ。たしか3000円代で買えたっけな?これを付ければ634mのスカイツリーでの塗装作業も「法的には」作業者の「命を守ってくれてた」訳です。いや、この記事執筆時点では「法的に」今現在も高所作業者の命を守ってくれている訳ですな(皮肉です)。

 日本って国は先進国のはずなのに、変なところで「アメージング」なことするんですよね。これは、日本の歴史に根源があると私は考察してます。

 日本って国は、他国に比べ安定的な歴史があり、法律がなくても慣習、常識ってヤツが機能する国、国民性がある国なんですよね。最近、身近な話だとコロナで「自粛」の名の下に、外国でいう戒厳令並みに、統率が取れた行動ができちゃうんです。マスクも罰則や義務化されてないのに、ほとんどの国民が着用している(これは、これですごい)。法律をつくらなくても、集団行動できちゃう国民性。外国からしたら「アメージング」です。

 一方、日本と真逆の代表がアメリカ合衆国ではないでしょうかね。建国から二百数十年という浅い歴史、また国民のほとんどが移民で、異なる文化があつまった、つまり単一の慣習=不文律で統制しきれない国。なのに、建国から200年足らずで世界一のGDPと軍事力をもった国。異文化同士を連結させ、世界最強の国にしたものは何か?すばり「法律」であると私は考察してます。実際は無茶苦茶やってますよ、ネイティブアメリカンに対する法律や、アフリカンに対する法律なんかは無茶苦茶です。だけど「法律」でやるんですよ、無茶苦茶やるにも法律作って「合法的」に差別する国なんです。すげー変な話ですが、歴史的事実です。つまり良くも悪くも法律で動いている国なんですよね。だから弁護士も多いし、訴訟も多い。色々な文化や、慣習が入り乱れてるから「常識」が機能しないから「法律」でルールを明確にする。

 一方日本は「村八分」をやりますよね、あきらかな差別的法律はなくても慣習で差別するんです。最近「同調圧力」って単語を耳にしますが、何にも明文化されていない力で人を動かすんですよね。そうそう町内会って、日常生活に超影響を及ぼす組織なのに、明確な法的根拠ないみたいなんですよ、アンビリーバブル。

 おいおい、フルハーネスからだいぶ話が飛んでるかって?いやいや、私が「フルハーネス義務化」を語る前提として、「日本は法律で動いていない国」なんだってことを述べたいのであります。だから法律の作りが甘くなる「甘いところは慣習が補正してくれる」という無意識が働いていると思うんですわ。

 フルハーネス義務化の対象は、明らかに鳶職など落下の危険がある方々を想定していて、常にワークポジショニングの連続に近い状態にあるロープクライミングを全く想定していないと思います。ちょびっとワークポジションについて触れられているけど、移動中はフリーフォールに晒されている想定と読めます(親綱うんぬんのところ)。高所作業者に、最近めざましい発展を遂げているツリーワーカーは、そもそも含まれていないんです。高所作業の想定が甘いんですよ、でも「高所作業者」で一括りにされちゃう。今回の法改正で命が守られるのは、江戸時代からのスタイル「身体能力、技術で落下をしない」ワーカー達。万が一落ちた時に死なないための装備義務化。

 高所作業者だけど「ジャパニーズニンジャスタイル」じゃない作業者達もいるんだけどって、樹上作業者の皆さんは声を上げて良いタイミングかともおもうんですがね。変に、ジャパニーズニンジャスタイルを想定した安全基準に引っ張られて、やり難くなったら「皮肉」じゃ済まないですよね。

 でも悲しいかな、特殊伐採の元請が建設業だと「法律は法律」どんなに熱弁しても、元請に一蹴されちゃうのが現実かと思います。

 ここも日本の「アメージング」なところなのですが、その法律が非合理、非科学的でも「法律だから」で思考停止しちゃう。へんなところで慣習にこだわり、変なところで法律に平伏す。

 法律慣れしてないから、法律や、ガイドラインを疑うことをしない。今回の法改正の冒頭「建設業等の高所作業において、、、」とありまして、「オラ達は等に、含まれないよな?」ってツッコミの余地があります。法律って、必ず解釈がの余白をともないます。なので、自分に都合の悪い法律は、自分に都合の良い解釈していいんですよ。いきなり、忖度して自分を苦しめる解釈をする必要はないと思います。解釈で揉めたら、ジャッジするのは裁判所ですから。最終ジャッジは、最高裁判所。大げさかも、しれませんが、本当にそう言う仕組みです。

 私、本職では、税務署やら労基署やら「署」のつくお役所とやりとりすることがあるんで、法律にさらされる機会が多いんですよね。そこで、感じるのが、彼らは、実は白黒ハッキリつけない、余白があることを前提に迫ってくるんです。「同様の不服で過去に裁判も起きていますが、税務署の解釈が採用されていますね」とか。

 逆もまたしかりで、「建設業等の高所作業」に、ロープクライミング作業ははいるのか?には白黒つけてないです、労基署は、たぶん(なんの判例も出ていない現時点では)。

余談:「署」のつく、お役所って逮捕権があるんだって「警察署、税務署、労働監督基準署」確かに!労働監督基準署の監督官に教えてもらっちゃった♪皆さんみたいに樹上で作業してないですが、デスクワーカーにも危険はいっぱい(´∀`*)  

 

ただね、ここで頭をもたげるのが、「同調圧力」。お上は突っ込んでこないのに、現場が突っ込んでくる可能性は大です。ユーザー同士(元請の建設業)で不文律のルールを決めちゃって。で、結局使いづらいハーネスに、使わないショックアバソーバーを背負って作業させられる的な。

 分かります?法律を作った側は、せっかく余白を残してくれているのに、ユーザーサイドで首を絞めちゃう。これも、日本あるあるで、お上に意義を唱えない文化。

「こうじゃなきゃ駄目なんだ!」とせまる現場監督「いや、この方法は、欧米では規格があり、うんぬん、、」「元請の言う通りしろ、現場出て行くか?」ああ、見えますね。泣ける。

 

 ツリーワークが、法律に規定されていないから、新しい法律(ガイドライン)を作ろうなんて発想する方、団体はいないのでしょうか。結局「この法律に合致する方法は?」と言う発想で、取り組むのではないかと推測してます。(合致する方向で考えるなら、たぶんショックアブソーバーをつけた作業用とは別のライフラインを設けなさいとかになるんじゃないかと。まぁ、確かに自分も1番怖いのは、最初の登りはじめ。一本のロープだけで上がっている最中ですわ。支点崩壊が1番怖かです。でも、そもそも樹木が安全なアンカーって、どう法律的には規定するんだろうね?)

 

と、まぁ、外野の私ですがどーなんだろーなーと、好き勝手語ってみました。

内野だったら、議論が変な方向に行かないように、ロビー活動しちゃうな、きっと。

 

※本記事は、筆者の主観のみで構成されております。記事の鵜呑みによる、損害、恥かきには一切責任を負いません。嘘を書いてはおりませんが、あなたの行動の根拠にするのはオススメいたしません。ネット情報をもとに行動する時は裏ドリをしましょう。

繰り返します、当ブログは東スポ的エンターテイメントを提供しております。お楽しみいただけておりますこと、願っております。

 

おしまい