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木登り日和

特殊伐採にあこがれるサンデーツリークライマー(平日サラリーマン@デスクワーク)

「電線」

私、趣味で第二種電気工事士と認定電気工事従事者の資格を持っておりまして、600v以下の電気設備をいじって良い人であります。一般人よりかは、電気についてお勉強した身であります。でも世の中で見かける電線について、よく分かってないなと、改めて調べてみました。そして「電線」と一口に言っても、色々あるんだと再認識しました。あんまり、近づきたくない電線ですが、このブログの読者さんは、「近づかざるを得ない方」もいるだろうと言うことで、私の調べモノをシェアでございます。

 

下記は、東京電力パワーグリッド(送電網を管理している企業)がHPで公開している資料です。

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注目すべき点は、「電線」には配電線と送電線の2種類があること。

「高圧線」という単語を聞いた事があると思いますが、通常高圧電線と言うとこの表でいう、6600vの配電線を指してる気がします。具体的には、電柱の一番上にある細めの3本の線です。

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中部電力さんから、画像を拝借

電柱の上に、ゴミ箱の様な物がありますが、これは柱上トランスといって6600vを家庭用の100v200vに変圧する機器です。目の前にある、電線が高圧なのか低圧なのか、トランスの上流か下流かで判断がつきます。通常これらが街中で見かける電線です。最初の表に当てはめて正確に言うと「配電線」になりますね。

 また、これら「配電線」は、絶縁被覆がしてあります。が、、、アテになりません。コレは、聞いた話ではなく実体験ですが、職場の6600vの配電線に風で竹が擦れて漏電しました。電気保安事務所の方も驚いてましたが、竹が焦げてました。つまり、絶縁被覆があっても電気漏れます。(ちなみに、絶縁被覆電線とケーブルは違います。ケーブルは漏れません、大丈夫です。ケーブルは、絶縁被覆電線をさらにシースで包んであります、ロープで言うところのカーンマントル構造みたいな。と、いっても、どれがケーブルなのか、パッと素人には見分けつかないです)

 何が言いたいかと言えば「ゴムは電気を通さない」は、大きな誤解です。ゴムの被覆は電気を通しにくくするだけです。抵抗が大きくなっても、それを上回る電圧が掛かれば電気は流れるんです。なので、被覆があるから近づいても大丈夫は通じません。東電の表によればどんな電線も2メートル以内に近づくなと言うことですね。安全率と同じように、バッファはあるでしょうが。

 あ、アンコウフックユーザーの皆さん、カーボン製の竿は電気を通しますので要注意です。電線には、絶対竿を接触させてはいけません。電線付近で竿を使う場合は、電気工事用の絶縁手袋した方が良いと思います。

 そして、超重要なのが「送電線」です。私、初めてちゃんと知りました。これ、超ヤバイです。電線絡みの作業があったら、目の前の電線は、配電線なのか送電線なのか、電圧はいくらなのか、しっかり把握した方が絶対良いです。何がヤバイかって?

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裸の電線に、数万ボルトです。冗談抜きで、触れなくても感電できます。近づいただけでアーク放電が起きる可能性ありです。それがいつ起きるのか、前兆はありません。電気のプロですら、これです。

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↑有名な動画です。この人、本当に運が良い。

送電線と配電線、リスクが桁違いです。「電線」と一括りにしない方がいいです。「電線に触れなければ良い」は妄想です。触れなくても、電気は襲ってきます。厄介なのは、危険エリアが見えない。そして、条件が常に変化すること、空気中の水分量、自分の自身の電気抵抗(汗かくと、抵抗は思いっきり下がります)、地面までの抵抗。こんな、要素(変数)を計算しきれます?私には、無理です。

 送電線、要注意です。触れなくても、電気が飛んでくるんです。はっきりしている安全圏は、これだけです。今一度、この表を頭に入れておきましょう。

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以上、調べものシェアでした。

 

 

感電事故に遭われた方のご冥福をお祈り申し上げます。